ゴミ屋敷の片付けにおいて、「場所」で順番を決めるアプローチと同時に、「ゴミの種類」でターゲットを絞るというアプローチも、非常に有効です。目の前の混沌としたゴミの山を、種類ごとに分類し、一つずつ攻略していくことで、作業にリズムが生まれ、効率が格段にアップします。まず、最初に手をつけるべきは、「明らかなゴミ」です。具体的には、食べ残しの入った弁当容器、空のペットボトルや缶、お菓子の袋、不要なチラシやダイレクトメールなど、誰が見ても「ゴミ」だと判断できる物たちです。これらは、「要る・要らない」の判断に迷う必要がないため、精神的な負担が少なく、作業のスタートダッシュを切るのに最適です。どんどんゴミ袋に詰めていくことで、部屋のゴミの総量が目に見えて減っていき、「これだけ片付いた」という達成感を得やすく、その後のモチベーションにも繋がります。次に手をつけるのが、「衣類」です。ゴミ屋敷では、脱ぎ散らかされた衣類が、床の大部分を覆っていることが少なくありません。これらの衣類を回収するだけで、床面積が一気に広がり、作業スペースを確保することができます。まだ着られる服、汚れていて洗濯が必要な服、そして完全に処分する服、と仕分けながら、大きな袋にまとめていきましょう。そして、ある程度、部屋のスペースが確保できてから、じっくりと取り組むのが、「本・雑誌・書類」などの紙類です。これらは、一見するとただのゴミの山に見えますが、中には、重要な契約書や請求書、思い出の手紙や写真などが紛れ込んでいる可能性があります。そのため、一つ一つ中身を確認する必要があり、判断に時間がかかります。焦らず、時間と心に余裕がある時に、じっくりと仕分け作業を行いましょう。このように、判断が簡単な「明らかなゴミ」から始め、徐々に判断が難しい物へと移行していく。この順番が、思考の混乱を防ぎ、スムーズに片付けを進めるための、賢いアプローチなのです。
どこから手をつける?ゴミの種類で考える片付け