私の人生が崩れ始めたのは、いつからだったのでしょうか。かつては人を招くのが大好きで、季節の花を飾っていたはずの玄関が、いつの間にか物理的な壁に変わっていました。最初は、仕事で疲れて帰ってきたときに、つい玄関の隅に置いたコンビニの袋でした。それが翌日には二つになり、一週間後には段ボールが重なり、気づけば扉を三十センチほどしか開けられない状態になっていたのです。毎日、その僅かな隙間に体を斜めにして滑り込ませるようにして家に入る。それが私にとっての日常になってしまいました。玄関という場所は、本来は外の世界と私的な空間を繋ぐ神聖な境界線であるはずですが、当時の私にとっては、自分の心の闇を外に漏らさないための防波堤のような役割を果たしていました。しかし、その防波堤は同時に、私を社会から孤立させる檻でもありました。ある夏の日のこと、郵便受けから溢れ出したチラシや封筒が、玄関の内側に雪崩のように崩れ落ちてきました。その時、ふと鼻を突く嫌な臭いに気づいたのです。それは、湿った紙が腐敗したような、あるいは何かが発酵したような、形容しがたい不快な臭いでした。玄関に溜まったゴミの山は、既に私の膝の高さまで達しており、かつてお気に入りだったスニーカーの片方は、何ヶ月も見当たらないままでした。その瞬間、私は猛烈な恐怖に襲われました。もし今、ここで火事が起きたら。もし今、私が倒れて救急隊が駆けつけたら。彼らはこの扉を開けることすらできず、私はこのゴミに埋もれたまま誰にも気づかれずに消えてしまうのではないか。その恐怖が、私の止まっていた時間を動かしました。そして、何よりも耐え難かったのがハエの存在でした。いつの間にか部屋中に響き渡る不快な羽音。一匹見つけたと思えば、次の瞬間には十匹、二十匹と黒い影が視界を横切ります。ゴミ屋敷と化した私の部屋は、彼らにとって最高の繁殖場となっていました。食べ残しの容器から這い出す白い幼虫を見たとき、私は自分の尊厳が完全に失われたことを悟りました。片付けを始めたのは、それから数日後の深夜でした。人目を忍ぶようにして、まずは玄関の扉を全開にできるだけのスペースを確保することから始めました。一枚、また一枚と、積み重なったチラシを袋に詰めていく作業は、まるで自分の過去の怠慢を一つずつ手繰り寄せているような感覚でした。玄関の床が見えたのは、作業を開始してから三時間が経過した頃です。たった一畳ほどのスペースが顔を出しただけなのに、私はその場に座り込んで涙が止まりませんでした。そこには、忘れ去られていた去年のカレンダーや、期限切れのクーポン、そしていつか使おうと思っていた未使用の傘が、埃を被って転がっていました。それらをすべて取り除き、雑巾で床を拭き上げたとき、私は数年ぶりに自分の家を取り戻したという実感を得ることができました。